当地(福井県若狭町)は、日本海側の中央である若狭湾と三方五湖の水の輝きと、背後に連なる山々の緑の輝きとが重なり合う自然の豊かな場所に位置しています。平成15年から冬水田んぼに取り組んでおります。現在、下吉田集落では15haの水田が冬水田んぼとなっております。

 平成18年の11月には10羽のコハクチョウが飛来し、水田の中を泳いでいました。「肥料効果」「抑草効果」「農作業の平準化」などのメリットがあるとして、積極的に冬水田んぼに取り組んでおります。 当地の冬水田んぼは、浅耕土地域で作土は15−20cm程度で下層は砂利層の乾田であります。用水は自然圧のパイプラインかんがいで冬期も自由に給水栓から補給できます。秋の刈り取り後に「荒起し−かん水−中こなし?用水補給(8cm程度を確保)」の作業体系です。一部で冬水田んぼによる不耕起栽培も実施しております。水田は県営圃場整備事業で昭和48年度に30aとなっております。


コハクチョウの飛来


 若狭町と美浜町に跨る「三方五湖」が平成17年にラムサール条約登録湿地となりました。冬水田んぼはラムサール条約の目的である生態系の保全をさらに推し進める農法であると思っております。畦の侵食など多少の課題はありますが、良質米の生産と生態系の保全の視点から、今後とも冬水田んぼの拡大と充実を目指して取り組んでいきたいと思っております。
 当地の冬水田んぼの各種の効果も数値的に説明できるように、現在県の関係機関でも調査に取り組んでもらっております。

[基盤整備] S48に30a圃場整備 H1に自然圧のパイプライン化

[作業工程]

10月
畦塗り
11月
米ぬか撒き〜耕起・代掻き・冬水田んぼ
12月
水深8cm以上で管理
4月
プール育苗
5月下旬
植代掻き・田植え・米ぬか撒き
6月
深水管理
7月中旬
中干し
8月
浅水管理
9月下旬
稲刈り
10月
乾燥

[営農上の効果]

 1.作業の平準化
・秋冬に耕起・代掻きを実施することによって、五月の田植え前作業が軽減される。
 2.肥料効果
・湛水(還元状態)は、アンモニア態窒素(+イオン)が土粒子(‐イオン)と結合し流亡しない。
・窒素分が排水路・河川に流下しないため、河川・海の富栄養化を防止する。
・野鳥の糞も加わり、肥料の節減に繋がる。(現在調査中)
 3.抑草効果
・冬水田んぼ3年で雑草は激減する。
・5月以降(水温14度以上)は8cm以上の水深管理でヒエなどの湿生雑草は発芽しない。
・ヒエは一時の浅水で発芽しても、深水とすれば活着しないため抜け落ちる。
・ヌカ撒き‐‐イトミミズ‐‐トロトロ層の形成で、コナギなどの水生雑草の発芽は防止でる。
 4.生物防除
・中干しを7月中旬に延期するとオタマジャクシは全てカエルに変態し、カエルが害虫を食べる。
・農薬を減じて、クモを生息させ害虫を駆除する。
 5.波浪による均平
・代掻き田は冬期の波浪によって、田面を均平にする。
 6.不耕起栽培が可能
・冬期間の湛水で田面が軟化し、5月には普通の田植え機で移植が可能となる。

[自然再生効果]

 1.渡り鳥の飛来
H19はコハクチョウ H22はツクシカモ 10ha以上の水場が必要
 2.野鳥の生息場
カモの餌場
 3.豊かな生き物
イトミミズ・水生昆虫・カエル・クモ・ヘビ・野鳥・猛禽類の食物連鎖
自然再生ふくい行動プロジェクトに参画している。

[課題]

 1.畦の崩壊
畦塗りは冬期の波浪で春には大半が侵食されてしまう。畦シートが必要
 2.水管理
水深8cmを確保するために常に補給が必要であり、湛水中は管理が必要である。


皆で育てる冬水田んぼ
冬水田んぼ農法の位置付け

※画像がクリックで拡大表示されます。

冬水田んぼとは冬に水を田に張っておく事が必要です。
それにより不耕起栽培も可能となります。
[冬]
[春]
[夏]
[秋]
[再び冬]


 (農)若狭下吉田営農組合 冬水たんぼ幸福米
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